解決事例

事例1:相続が遺言の執行と遺産分割協議(交渉)により解決した事案

相談・依頼をされた事情

海外で長く生活されていた叔母様がなくなりました。叔母様にはお子様がおりませんでしたので、姉、甥(代襲相続人)、姪(代襲相続人)の3名が相続人となりました。当事務所への依頼者は甥です。相続財産には、国内の不動産・金融資産の他、国外の金融資産が含まれていました。国外の金融資産については必要書類の準備ができないため手続きが止まっており、内容が不明でした。

遺産分割協議だけでなく、金融機関の手続きや相続登記、相続税の申告手続きも必要でした。依頼者は、これらの相続に関する手続き全般を当事務所を通じて行うことを希望されていました。

解決結果

まずは国内の相続財産の遺産分割協議を先行して解決しました。

次に国外財産の扱いが問題となりましたが、内容が不明であり、まずは情報を得る必要がありました。国外の金融機関と連絡を取り合い、必要な書類を公証役場で準備(アポスティーユという名称の珍しい書類です。)の上送付し、ようやく国外の金融資産の内容が明らかになりました。また、生前故人が国外の金融資産の扱いを記載した遺言を残していたことも判明しました。そこで、家庭裁判所で検認手続きを行い、遺言に記載された内容に従いました。依頼者も財産を取得することができました。

登記や相続税申告のための司法書士や税理士とのやり取り・書類の準備も当事務所で行いました。相続税申告書に記載する内容を踏まえて遺産分割協議書を作成しました。国外の金融資産については、国内にはない特殊性がありました。本来、自筆証書遺言には捺印が必要です。今回の件は、渉外遺言の要件を満たしておりましたので、捺印が欠けていましたが、無効となることはありませんでした。

相続人間には若干の感情のもつれがあったのですが、弁護士が間に入り手続きを進めることで同意・協力を得られた部分も多く、手続きをスムーズに進められたと考えております。また、他の専門家との連携もうまくいき、トータルな相続サービスを提供することができました。当事務所の特色を生かして解決することができた事例と思っております。

事例2:成年後見人として参加した遺産分割協議が調停により解決した事案

当事務所で担当する以前の事情

相続人は、妻、長男、長女の3名でした。妻は認知症で判断能力に欠けていたため、成年後見の申立がなされ、当事務所弁護士が成年後見人に就任しました。相続財産は、不動産、預貯金、株式でした。

解決結果

成年後見人に就任した時点で既に家庭裁判所で遺産分割調停が行われていました。

不動産の評価が問題となりましたが、土地は路線価、建物は固定資産評価額で評価することで合意されました。本人(妻)は、法定相続分に照らした代償金を受け取ることで調停が成立しました。成年後見人の選任を受けた裁判所と相談しつつ調停案を作成しました。

また、相続財産には賃料が発生するアパートがありました。遺産分割協議中に発生した賃料の分配も問題となりました。担当弁護士が法定相続分に応じた分配案を作成し他の相続人の同意も得られたことから話し合いがまとまりました。

事例3:ローンの負担を免れ代償金を獲得するという内容で調停が成立した事案

相談・依頼をされた事情

相続人は、妻、長女、次女、三女の3名でした。当事務所への依頼者は、次女、三女です。既に長女が家庭裁判所に調停を申し立てて調停が始まっていました。妻は、長女に相続分を譲渡し調停手続きから脱退していました。依頼者達は、調停委員に自らの希望を適格に伝えることができず、当事務所への依頼を希望されました。

相続財産は、不動産、預貯金でした。

解決結果

不動産(アパート)には多額のローンが残っておりました。依頼者達は将来のローン負担を嫌がりアパートを取得することは希望されませんでした。そこで、代償金の取得を希望されました。

調停期日を重ね、依頼者達の希望が通り、長女が全ての財産を相続し、依頼者達は代償金を取得することで調停は成立しました。長女が全てのローンも負担することになりました。また、代償金は、相続が発生してから調停が成立するまでに発生したアパートの賃料額も加え算定されました。

本来、遺産分割協議中に発生した賃料の分配は、遺産分割協議とは別の問題となり、必ずしも同時に解決するわけではありません。しかし、別々の解決ですと、調停が成立した後に再び協議が必要となり、依頼者の負担となります。同時に解決できるのに越したことはありませんので、よかったです。

事例4:2件の遺産分割協議が交渉により同時に解決した事案

相談・依頼をされた事情

①亡くなった夫の相続と、②夫が亡くなる前に死亡された夫の父の相続、2件の相続が未解決でした。依頼者は、妻です。他の相続人は、①の相続については夫の母、②の相続については夫の母と夫の兄弟でした。夫の母には司法書士の成年後見人が就任していました。

依頼者は、夫を突然亡くされたことで大きく落胆され、お一人で成年後見人と相続のやり取りをすることに限界を感じていました。そこで、2件の相続の解決を当事務所に依頼されました。①の相続については預貯金の分割が、②の相続については不動産の分割が問題となりました。

解決結果

②の相続については、不動産の価値は高くなく、依頼者の相続分は12分の1にとどまっておりましたので、依頼者は不動産を相続しませんでした。その代わりに、過去に依頼者が支払ったリフォーム費用を①の相続で考慮することになりました。

①の相続については、預貯金は全て依頼者が相続しました。相続開始時の残高を確認し、夫の母には相続分に応じた代償金を支払うことになりました。葬儀費用、未払治療費は残高から控除され、代償金からリフォーム費用も差し引かれることになりました。

その他問題となった点も、依頼者の希望が容れられ話し合いはスムーズに進みました。初回のご相談から約3ヶ月という短期間で2件とも解決することができました。依頼者は、心の負担となっていたことが短期間で解決したことから非常に安堵されていました。

事例5:遺留分減殺請求を交渉で解決した事例(不動産の取得)

相談・依頼をされた事情

相続人は、長男、長女、次女の3名でした。当事務所への依頼者は長女と次女です。

被相続人が残した公正証書遺言はほとんどの財産を長男に相続させ、長女・次女にはわずかな金額を相続させるという内容であり、依頼者達の遺留分が侵害されていました。相続財産のほとんどが不動産でした。

余りにも不公平な内容に、依頼者達は納得ができませんでした。依頼者達は、遺留分の権利を実現すべく当事務所に依頼されました。

解決結果

弁護士が代理人となり、内容証明郵便を送付して遺留分減殺請求権を行使しました。

依頼者達は家庭裁判所に調停を起こすことは望んでいませんでした。そこで、調停を起こすことなく交渉での解決を探りました。長男にも弁護士が代理人として就任し、話し合いが続けられました。

相続財産には金融資産が少なく、長男は遺留分に相当する金員を用意することができませんでした。そこで、依頼者達は、一部の不動産を相続することで遺留分を実現することにしました。同じ不動産を2分の1づつ所有権移転登記を受けました。

相続税との関係で税理士と、登記手続のため司法書士と連携して業務を進めました。遺産が多額でしたので、合意がまとまった後、依頼者達に相続税申告と相続登記手続のために税理士と司法書士をご紹介しました。

事例6:遺留分侵害額を特別受益も考慮した上で算出し調停で解決した事例

相談・依頼をされた事情

相続人は、長男、長女、次女の3名でした。当事務所への依頼者は長女と次女です。

被相続人が残した公正証書遺言は全ての財産を長男に相続させるという内容であり、依頼者達の遺留分が侵害されていました。長男は、遺言で相続した財産に加え生前贈与も受けているとのことでした。他方、依頼者達はわずかな生前贈与を受けていたにすぎませんでした。長男は依頼者達の不満に全く取り合ってくれませんでした。

依頼者達は、遺留分の権利を実現すべく当事務所に依頼されました。

解決結果

被相続人名義の預貯金口座、株式明細を調査し、長男の受けていた生前贈与の内容を明らかにしました。調停を起こす以前に交渉による解決を試みましたが、長男の提示額は遺留分侵害額から遠く離れており、交渉による解決はできませんでした。

そこで、家庭裁判所に調停の申立をしました。調停期日を重ねる中で、調停委員からの説得もあり、長男の姿勢は徐々に変化していきました。

最終的に、調停が成立し、依頼者達は、長男の生前贈与も相続財産に持ち戻しをした上で算出した遺留分侵害額を金銭で取得することができました。

当方は同じことを言い続けていたのですが、長男の理解が得られず簡単には解決できませんでした。相続問題が長期化することはよくありますが、時間をかけて粘り強く対応することでいい解決ができた事例といえます。

事例7:遺留分減殺請求を訴訟で解決した事例(金銭の取得)

相談・依頼をされた事情

相続人は、妻、長男、次男、三男の3名でした。当事務所への依頼者は三男です。

遺産の大部分は不動産でしたが、遺言はほとんどの財産を妻に相続させるという内容であり、依頼者の遺留分が侵害されていました。依頼者は自ら内容証明郵便を作成して遺留分減殺請求権を行使し、調停を申し立てましたが、相手方は出頭せず話し合いができませんでした。

そこで、遺留分減殺請求の裁判を当事務所に依頼されました。

解決結果

裁判を起こしたところ、被告は、依頼者は既に特別受益を受けており遺留分の侵害はないとの言い分でした。また、不動産は相続税申告書の評価額で評価するべきとの言い分でした。

特別受益の言い分については、民法上の特別受益には該当しないお金の受け取りがありましたので、資料と共に反論を行いました。また、他の相続人が特別受益を受けていることも明らかにし、全体の財産を増加させることに成功しました。

不動産については、相続税申告書の評価額は時価額よりかなり低かったため、不動産業者の査定を取り寄せ、時価額を立証しました。

裁判所より当方の主張が多く取り入れられた和解案が提示されました。その内容をベースとして、被告が遺留分額に相当する金銭を支払う旨の和解が成立し、無事解決することができました。

相続の際、特別受益が問題になることは多いですが、お金の受け取りが全て特別受益になるわけではありませんので、どのような意味で受け取ったお金なのか吟味することが大切です。丁寧に特別受益に関する言い分を吟味したことが効を奏した事案でした。

事例8:相続人となった方が順次相続放棄した事例

相談・依頼をされた事情

突然長男が死亡され、すぐに何件かの借金があることが判明しました。相談に来られたご両親は、今後も借金が見つかるかもしれず不安をもたれていました。長男は未婚で子もなかったため、相談された時点での相続人は、ご両親でした。

長男には特にプラスの財産はありませんでしたので、相続放棄の手続きをお勧めしました。相続には順位が決まっており、優先する順位の相続人が相続放棄をすると、次順位の相続人が相続するので、全ての相続人が相続放棄をする必要があることをご説明しました。

ご両親達は、相続人全員の相続放棄を希望され、当事務所に依頼されました。

解決結果

必要な戸籍を揃えた上、家庭裁判所にご両親の相続放棄を申述し受理されました。

ご両親が相続放棄を受理されたことで、今度は父の母(長男の祖母)が相続人となり相続放棄が必要になりました。祖母からも依頼を受け相続放棄を申述し受理されました。

祖母が相続放棄を受理されたことで、今度は次男(長男の兄弟)が相続人となりました。そこで、最後に次男から依頼を受け相続放棄を申述し受理されました。

相続人全員が相続放棄を受理されたことで、誰も借金の負担を負うことなく無事解決することができました。

事例9:遺産分割調停の途中から弁護士を依頼し解決した事例

相談・依頼をされた事情

依頼者は、本人を含めて4人姉妹であり、亡くなった母の相続について家庭裁判所で調停をしていました。調停は本人で対応していましたが、1年以上経っても調停がまとまりませんでした。

相続財産には複数の賃貸不動産が含まれており、相続開始後の賃料収入の分配も問題となっていました。20年以上前に亡くなった父の相続の際の相続税の支払い状況の説明も必要でした。

調停委員から弁護士への依頼を薦められていました。

そこで、依頼者は、当事務所に依頼されました。

解決結果

まずは、父の相続の際の相続税の支払い状況を説明するため、当時の資料を確認し報告書をまとめ裁判所と相手方に提出しました。

弁護士に依頼した後の1回目の調停期日で解決する見込みが見えたので、弁護士が解決案を作成することになりました。

依頼者達と打合せを重ね、資料を丹念に確認し、解決案を作成しました。解決案は、相続財産の分配の他、相続発生後の賃料収入の分配も取り込んだ内容となりました。境界を接する土地の使用方法についても取り込みました。

弁護士が作成した解決案に資料を添えて相手方に送付しました。相手方と協議を重ね話はまとまりました。

弁護士が依頼を受けて2回目の調停期日で無事調停が成立しました。

1年以上かけても解決しなかった遺産分割調停でしたが、弁護士に依頼した後短期間で解決することができ、依頼者にもご満足頂けました。

事例10:相続人を調査し確定させた上で遺産分割協議(交渉)により解決した事例

相談・依頼をされた事情

当事務所への依頼者が、生前介護していた叔母様が亡くなりました。依頼者の話によれば、叔母様は、生涯未婚であったため配偶者・子供はおらず、両親・兄弟姉妹も既に他界しているとのことでした。もっとも、あまり親戚付き合いが密ではなかったため、叔母様の兄弟姉妹の子供(依頼者と同じく代襲相続人となり得る人間)の有無、人数、住所等といった事情までは分からず、遺産分割協議をするための前提となる相続人の範囲が確定できない状況でした。

相続財産は、預貯金、不動産及び車両でした。

依頼者は、相続人の調査及び遺産分割協議だけでなく、遺産分割協議書作成後の金融機関における相続手続や登記手続についても、当事務所を通じて行うことを希望されていました。

解決結果

まず、相続人の範囲及び所在を確定させるために必要な戸籍・住民票等を取り揃えました。その結果、甥①(依頼者)、甥②、姪の3名が相続人であること及び甥②及び姪の住所が判明しました。

次に、被相続人が死亡した事実すら知らない甥②及び姪に対して、叔母様の介護や相続債務等の支払を単独で行ってきた依頼者の実績を訴えながら遺産分割協議を持ちかけました。そのような交渉手法の甲斐もあってか、「依頼者が相続債務を最終的に負担することを条件に全遺産を取得する」という依頼者の希望通りの内容で合意に至り、遺産分割協議書を交わすことができました。

その後の金融機関における相続手続や登記手続のために必要だった司法書士とのやり取り・書類の準備も当事務所で行いました。

本件では、遺産分割協議だけでなく、その前後に必要となるサービスまで、他の専門家と連携しながらワンストップサービスで提供するという当事務所の強みを遺憾なく発揮することができました。

事例11:共有物分割請求訴訟を提起し、共有不動産の任意売却ができた事案

相談・依頼をされた事情

依頼者は、依頼者、依頼者の姉及び母親とで共有する不動産の分割を希望されていました。ところが、交渉が難航している内に、母親が亡くなり、相続が発生してしまいました。

母親の死後も不動産の売却交渉が続けられましたが、依頼者の姉は、過去に成立した父親の遺産分割協議の有効性を問題にし、不動産の売却や分割を話し合いで進めることは不可能でした。そのため、依頼者は、裁判所に共有物分割請求訴訟を提起して解決を図ることにしました。

当事務所は、母親の生前から依頼を受けていましたが、引き続き担当しました。

解決結果

当方の共有物分割請求訴訟の提起に対し、依頼者の姉は、父親の遺産分割協議の無効確認請求訴訟を提起してきました。

訴訟は約1年5か月にわたりましたが、無事裁判上の和解が成立しました。内容は、遺産分割協議が有効であることを前提とし、売却代金の分配も依頼者の希望に沿ったものであり、依頼者が十分納得のいくものでした。

和解後は不動産の任意売却についても、引き続き窓口となりました。様々な事柄を調整する必要があり、無事決済ができるまで約8ヶ月を要しました。

解決まで非常に長期間を要し、解決が見えない時期もありましたが、不動産を任意売却でき、長年の懸案を解決することができました。依頼者からは大変な感謝の言葉を頂きました。弁護士としても長年の苦労が報われ、依頼者とも良好な関係を最後まで維持でき、冥利に尽きる事件でした。

当事務所が担当した相続・遺言に関する案件の解決一例となります。これ以外にも様々な案件を担当しております。
関係者のプライバシーに配慮するため、事案を抽象化しております。

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